ヒビロンとは酸液に添加し、鉄鋼の腐蝕を抑制する薬剤です。
鉄鋼や鋼管の酸洗時の母材保護に使用されています。
鉄鋼酸洗にインヒビターが発揮する第一の効果は鋼材の溶解防止です。
インヒビターを添加すれば無添加時に比べて明らかに溶解を防止することが出来ます。
無添加 ヒビロン添加
酸洗作業中発生するガスは酸液表面で気泡が破れて小さな粒となって空気中へ発散されます。
水素ガスは無臭ですが発散される時に酸を大気中にまき散らします。
ヒビロンを添加していれば水素ガスの発生を抑えますので酸霧も飛散されず臭くありません。
ヒビロンを添加して酸洗をすると酸洗前の表面粗度からほとんど進行せず、安定した粗度を得ることが出来ます。
無添加の場合は時間が経つにつれ腐蝕が進行し、荒い粗度になります。外観もヒビロンを添加すれば白く仕上がり、なめらかな肌が得られます。
ヒビロン添加
無添加
酸洗において、鉄の溶解と酸の消耗とが比例することはFe+H2SO4=FeSO4+H2の反応から明らかです。
ヒビロンを添加していればAで説明した通り、鉄の腐蝕が抑えられますのでそれだけ酸の消耗も少なくなります。
薬剤を選択するとご覧いただけます。
鉄鋼の酸洗に使用する酸液を補助しスケール除去を促進します。ステンレス鋼・軸受鋼・合金鋼など酸洗が難しい材料のスケール剥離の促進をします。
酸洗時間を普通鋼の場合20~30%短縮します。